金鶏金山

きんけいきんざん



金鶏金山は長野県の茅野市と高遠町の境、南アルプスの北の端にあたる所に位置する。
すぐ南には入笠山、北側の尾根には金沢峠、杖突峠と続き、また茅野市側(東側)の麓には江戸時代に栄えた金沢宿、信玄の時代から江戸時代初期まで栄えた青柳宿の ある甲州街道(現在国道20号)が通っている。
標高1400m前後の場所で現在東側金沢から林道が通り、金鶏金山を通り芝平峠を越えて高遠町へ山室川の沢を下っていく。
発掘は信玄の時代から約400年間、昭和戦後まで掘り続けられた。
その各年代の掘削跡、また信玄が築いたといわれる堤が残っておりそれらを見て回る事ができる。





<場所>長野県茅野市金沢
<行き方>国道20号青柳駅入り口を駅とは反対側に入る
(信号なし)
坂を上ると旧道とぶつかり、そこに案内板あり
そのまま西の山へと林道を登って 8.5q先
芝平峠手前 大きな看板あり
<駐車場>:看板の所に4台程の広場
<撮影日>2003年10月

山を登っていく林道は1.5車線の砂利道だが整備されているので心配なし。
ただ、ここはMTBのコースになっており、富士見パノラマスキー場のゴンドラで入笠山山頂から下る コースとして設定されているのでスピードのだしすぎ等注意。


左 千軒平
ここら辺は湿原になっており貴重な植物が群生しているそうだ。
そして湿原の上部に坑夫の小屋がたくさんあったことから千軒平と名が付いた。





下 千軒堤
長さ200m、高さ2m前後の堤がある。
これは信玄がこの金山を採掘していた時代、鉱石の選鉱をするために沢をこの堤でせき止め、 ため池を造った跡である。


左上 天保の墓石
天保10年(1839)大きな事故があり諏訪高島藩によって稼業中止命令が出された記録があり、 その時の犠牲者の墓であるらしい。
この場所には二十数基の墓碑があったが関係者によるものか次々と持ち去られ、今はこの一基となった。
〜現地案内板より〜
右上 上に紹介した信玄時代の遺構は林道を登ってくると右側にある。そこから入ってすぐの 所にどちらからでも行けるという案内板があるが、右に入った方がわかりやすい。
千軒堤を経て、堤の上を歩いていくと天保の墓石がある。

左上 屋敷跡、人夫小屋跡
千軒平湿原を源流として流れる金山沢の流れの両側に人工的に造られた平地(テラス)が何段かある。
金山稼業時の事務所や人夫小屋があった場所である。〜現地案内板より〜
右上 不動尊
背面に碑文が書かれており、明治時代にここで採掘をしていた横森、津金兄弟の事が書かれている。

左上 天保の台座
上の不動尊のすぐ後ろにこの台座が残っており、側面に同じように当時採掘していた人々の事が 書かれている。
右上 事務所跡 ここに金山の事務所が置かれていた。この周辺のがれ場はすべて廃鉱の跡。

左上 ねこ流し水路の跡
鉱石を焼き、水車で砕き、石臼で細かくした物を水路にねこ(藁で編んだむしろ)を敷き、砕いた 鉱石を流すと、比重の重い金粒は残り、砂は流れ金粒はその目に残る。
それを集めて精製すれば金塊となる。
この水路は他の金山で例を見ない遺構であるといわれている。〜現地案内板より〜
中上 武田坑跡
武田時代は露天掘り(つるし堀り)といって、空堀のように掘り進めて行く方法であった。 それが深くなると土をつるして掘り出すのでつるし掘りという。
この坑の下には弁天鋪坑跡という天保年代〜明治にかけて掘り進められた跡がある。
しかし、穴はすべて埋められてしまっている。
右上 水車場の跡
炉で焼いた鉱石を細かく砕く為の水車小屋があった場所といわれている。

左上 水車場の跡 別角度
右上 炉の跡
鉱石を焼いたと思われる炉の遺構で石垣で囲まれているのがわかる。
石を烈火で焼けばもろくなり砕きやすくなる。
また採掘道具の補修もしたであろう。

左上 亀坑跡  中上 鶴坑跡  右上 鶴坑跡の入り口下の石垣
どちらも明治時代の坑道跡。武田時代の露天掘りの下へ向かって掘り進められている。
ここも坑道は埋め戻されているが、これは浅間山荘事件の影響で洞窟を隠れ家に利用して 殺人など犯罪の巣窟になる恐れがあるということで警察の指令により潰されたそうだ。
残念。保存する方法はなかったのか。安易に遺構が潰されてしまったのである。

この2つは分かりづらい所にある。
事務所跡の先をさらに沢沿いに下っていくと、150mくらい先にうっすらと左に登る道がある。 そこを登ると亀坑跡。白い案内板が立っている。さらに亀坑の上を登って行くと約50m先に石垣があり、その上が鶴坑跡。


信玄時代のつるし掘り跡
一番上の金鶏金山略図とは入り口が違っていて、上の事務所跡などの入り口よりも50m程下(青柳側)になる。 青柳側から林道を登ってくると右側に案内板が見える。
深さ1m〜2mの空堀状のものが何本も走っているのが圧巻!

金山というと佐渡金山、伊豆の土肥金山くらいしか行ったことがない私はこのような露天掘り跡を 見るのははじめてで興味を覚えた。堤もこんな山奥にあるのは異様な光景だった。
全体を見ると1、2時間はアッという間に過ぎてしまうが、そんなに広い場所に散らばっているわけではない ので、気楽に見に行ける。

林道をさらに登り2q程で芝平峠の十字路に来る。そこを左折して入笠山方面へ。湿原を過ぎたあたりに 来ると八ヶ岳の大パノラマが眺められる。

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